ずっと行きたいと思っていた大塚美術館に行ってきたので感想、見どころをまとめてみました。
大塚国際美術館とは?
徳島にあるこの美術館は世界各地の美術館にある本物の作品を写真に撮り、それを原寸大のまま陶板に焼き付けて展示しています。
なので言ってみれば本物と全く同じものが飾られているわけです。さらに本物と違い自由に触ったり写真を撮ったりすることができます。
館内には、厳選された古代壁画から、世界25ヶ国、190余の美術館が所蔵する現代絵画まで至宝の西洋名画1,000余点を大塚オーミ陶業株式会社の特殊技術によってオリジナル作品と同じ大きさに複製しています。それらは美術書や教科書と違い、原画が持つ本来の美術的価値を真に味わうことができ、日本に居ながらにして世界の美術館が体験できます。(大塚国際美術館公式サイトより)
大塚国際美術館の展示内容
古代~中世
こちらはシスティーナ礼拝堂。
バチカン宮殿にある礼拝堂。ミケランジェロ、ボッティチェッリ、ペルジーノ、ピントゥリッキオら、盛期ルネサンスを代表する芸術家たちが内装に描いた数々の装飾絵画作品で世界的に有名な礼拝堂である。(Wikipediaより引用)
まさか礼拝堂まで複製できるとは驚きです……。本物のバチカン美術館にも行ったのですが、こちらの方がゆっくり見ることができます。バチカン美術館ではシスティーナ礼拝堂での写真撮影が禁止されているのですが、ここでは好きなだけ写真が撮れます。
こ、これはアレキサンダー大王VSダレイオス3世のイッソスの戦いを描いたあのモザイク画ではないですか。歴史の資料集でおなじみのこの絵ですが、近くで見るとやはり迫力があります。
こちらは貴婦人と一角獣。本物のタペストリーを私はパリで見ましたが、色あせ具合も全く同じでした。
処女マリアがイエスを妊娠していることを天使から知らされる(!?)というシーンを描いた『受胎告知』。
受胎告知をテーマにした絵が同じ場所に何点も展示されてあり見比べるとおもしろかったです。上の写真はそのうちの1つ、ボッティチェッリによって描かれた作品です。
受胎告知のどの絵にも描かれているユリの花はマリアの純潔を象徴しているそうです。
『アテネの学堂』だと勝手に勘違いして、「どれがアリストテレスだろう……」などと考えていたのですが、この絵は『聖体の論議』でした。近くに『アテネの学堂』もありました。どちらもルネサンス期の巨匠、ラファエロの作品です。
『ヴィーナス誕生』と並んで非常に有名な作品『春』。上に出てきた『受胎告知』もボッティチェリの作品でしたね。
猫が可愛いこの絵はピーテル・ブリューゲルの描いた『ネーデルラントの諺』という作品の一部です。
この作品には100以上ものネーデルラントのことわざが描かれているそう。上の写真はその中の1つ「猫に鈴を着ける」ということわざで、意味は「企みがかえって状況を悪くする」だそう。(参照元:Wikipedia、「ネーデルラントの諺」)
レオナルドダヴィンチの傑作、『最後の晩餐』!
以前『ダ・ヴィンチコード』を読んだのですが、向かってイエスの左側に座っている人…女性に見えませんか?イエスの十二使徒たちは全員男性だったはずなのに。色々と謎が多い絵です。
さて、こちらはレンブラントの『夜警』。昔どこかで、「この集団肖像画を発注した人たちは少女が目立っているのでこの絵の出来栄えに不満だった」と読んだことがあるのですが、今Google先生に聞くと「それは後付けされた伝承」とのこと。
作者の意図を遠く離れて後から色々な解釈やストーリーが付け加えられるのも絵画のおもしろいところ。
朕は国家なり!フランスの王様の中でも圧倒的な存在を放つルイ14世。ルーヴル美術館にたたずむルイ14世も徳島にたたずむルイ14世も偉そうです。太陽王ですもんね。
『ぶらんこ』、これは私が大好きな絵です。
奥でぶらんこを押しているのが女性の夫、手前にいるのが愛人……という三角関係を描いているのに、とても可愛い絵です。ぶらんこで愛人と夫の間を行ったり来たりしているのが面白いですね。
この絵はディズニー映画『塔の上のラプンツェル』のモデルにもなっています。ちなみに香水ブランド「フラゴナール」の名前の由来はこの絵を描いた画家、ジャン・オノレ・フラゴナールから取られています。色々つながっていておもしろいですね。
フュースリの『タイタニアとオベロン』
シェイクスピアの『真夏の夜の夢』の一幕ですね。シェイクスピアって左下の蛾人間(?)みたいなの出てきますっけ……?
バロック~近代
またまたルーヴル美術館から。ドラクロワ作『民衆を導く自由の女神』です。『民衆の歌』が聞こえてきそうですね。
戦う者の歌が聴こえるか? 鼓動があのドラムと響き合えば新たに熱い生命がはじまる 明日が来たとき そうさ明日が!(ミュージカル、レミゼラブルより)
綺麗な絵。ウクライナ生まれの画家イヴァン・アイヴァゾフスキー作『第九の波涛』
印象派の名前の由来になった作品。クロード・モネ作『印象・日の出』
ドガ、ルノワール、ゴッホ、ミレー、マネといった印象派の有名な絵画が贅沢に展示されています。
この黒猫ちゃんはどこにいたでしょう?
答えは…
マネ作『オランピア』のお姉さんの足元にいました。(上の画像はWikiより拝借)
ムンクの『叫び』もあります。見れば見るほど不思議な絵。
近代
ピカソ、『ゲルニカ』。
天才画家、ダリの絵もありました。他にもシャガール、ピエト・モンドリアンの絵なども展示されていました。
以上で絵画の紹介は終わりです。
お土産、カフェ、レストランなど
入ってすぐのところにあるミュージアムショップで一日三十個限定販売のムンクの「和三盆」をゲット!人気ですぐに売り切れてしまうのだとか。帰るときにはもう売り切れていました。
地下二階のカフェではモネの池を再現したきれいな庭園を眺めながらティータイムを楽しめます。
徳島の海が見えます。
お昼ご飯は一階のレストランで、うずしお海鮮丼をいただきました。鯛のおすましには徳島名産のワカメがふんだんに入っています。海鮮丼もおいしかった~。
美術館を出てすぐのところに海が広がっています。美術館巡りの後は海岸を散歩して楽しかったです。
ぜひまた行きたい、大塚国際美術館
四国県民の方以外にとっては少し行きにくい場所にあるかもしれませんが、それでも行く価値があると思いました。
泊りがけで行って徳島の海産物やカボスを堪能するのも良いと思います。鳴門の渦潮も近くで見れます。(私はどれが渦潮か分かりませんでした)
美術館内のほんの一部を紹介しましたが結構長くなりました。
大塚国際美術館は見るところがもっとたくさんあります。紹介しきれないのが残念ですが、ぜひ実際に足を運んでみてもらいたい美術館です。
所要時間やツアーなど
バスのツアーで行ったのでランチの時間込みで約5時間滞在したのですが、最後の方は急ぎ足でした。
ゆっくり見て回りたかったら所要時間は5時間以上を見ておいた方がいいかもしれません。また、滞在時間が限られている場合は見たい作品をフロアマップで確認して重点的に回るのもおススメです。
徳島県から遠い場合は交通費だけでも結構するので、入館料(3240円)のことも考えるとツアーで行くのが楽&お得かもしれません。
大塚美術館へのツアーには徳島観光がついているものもあります。美術観光の後に海の幸を楽しむのも良さそうです。ピッタリのツアーを探してみてください。
また泊りがけで行って、絵画と海鮮をゆったり楽しむのも良さそうです。今度の休暇は徳島へ行ってみてはどうでしょう?