パリの5区にある国立中世美術館(クリュニー美術館)。『貴婦人と一角獣』のタペストリーで有名です。ノートルダム大聖堂から徒歩で10分ほどの距離にあります。
貴婦人と一角獣のタペストリー
「我が唯一つの望みに」(À mon seul désir)
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以前徳島の大塚国際美術館の記事でも紹介した有名なタペストリー、『貴婦人と一角獣』は6枚が1つの部屋に集められています。
「聴覚」(L'ouïe)
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以下部屋にあった日本語の説明書き。
「この作品は中世国立美術館で最も有名な作品で、1882年に投函のコレクションに収蔵されました。
最初にプロスパー・メリメが1841年にブサック城(クルーズ地方)で発見しました。その後、作家ジョルジュ・サンドがこの絵のタピスリーについて彼女の著作で取り上げたことにより、一般にも知られるようになりました。
その美しさ、華やかな色彩、一風変わったモチーフ、そのサイズ(小さいもので3.10m×3m、大きいもので3.76m×4.70m)、そして実際何枚でシリーズが構成されていたのかには諸説あったものの、6枚揃っているという点でも注目されています。」
「視覚」(La vue)
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「嗅覚」(L'odorat)
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一枚作るのに一体どれほどの時間がかかったのでしょう。細部まで凝っていていつまでも見ていられます。
5枚のタピスリーは人間の五感
味覚(Le goût)
聴覚(L'ouïe)
視覚(La vue)
嗅覚(L'odorat)
触覚(Le toucher)
を象徴しているそうです。
6枚目のタペストリーは
「我が唯一つの望みに」(À mon seul désir)
という題がついていますが、その意味は明らかになっておらず、「愛」や「理解」ではないかと考えられています。
中世国立美術館で一番有名なのはやはり貴婦人と一角獣のタピスリーかと思いますが、他にも面白いものが色々あります。
(大塚国際美術館に行ったときは、日本から出なくても十分だと思いましたが、やはり実際に本場の美術館に足を運ばなければ見られないものも多いですね……)
礼拝堂の天井
後期ゴシックのフランボワイアン様式のデザインがとても素敵です。「フランボワイアン様式」とは「火焔様式」ともいい、炎が燃えているかのような装飾が特徴です。
ノートルダム大聖堂の一部にもこの様式を見ることができます。
黄金のバラ
伝統的に教皇から貴族や王族などに贈るものだったそうです。
教皇は毎年、四旬節の第4日曜日に宗教的または政治的に特に優れた信奉者に黄金のバラを授ける。黄金のバラはキリストの受難と復活の象徴である。国立中世美術館の『黄金のバラ』は、1330年に教皇ヨハネス22世がヌーシャテル伯に授けたもので、最も古い黄金のバラである。
ステンドグラス
ゴシック建築が最盛期だったころに制作されたステンドグラスが数多く展示されています。国立中世美術館のステンドグラスのコレクションはフランスで一番豊富だそう。
その他の収蔵品
綺麗なチェス盤
凝ったデザインの杯
アクセスなど美術館情報
住所
28 Rue du Sommerard, 75005 Paris, France
最寄り駅
Cluny-La Sorbonne / Saint-Michel / Odéon
開館時間
火曜日以外の9:15から17:45
入場料
通常5ユーロ、特別展の場合は+4ユーロ。
公式ホームページ→MUSÉE DE CLUNY
(一応英語もあるのですが、ほとんどフランス語でしか載っていません)
上でも書きましたが、ノートルダム大聖堂があるシテ島からすぐ近くなので、ノートルダム寺院へ行く前後に行くのがおすすめです。
ゆっくりしても2時間あれば見て周れるので、ツアーの自由時間に訪れてもいいでしょう。