ところ変われば美の基準も変わる。美しさとは一体なんなんでしょうね?(哲学)
今日は私がヨーロッパで知らず知らずのうちにしてしまっていた外見に関する失言を大後悔したいと思います。
1、「あなたの鼻、高いね!」
鼻の高い人についこう言ってしまうのは日本人あるあるではないでしょうか?
高い鼻はヨーロッパでは残念ながら醜い(!)とされており、鼻を低くする手術をする人がいるほどです。
知らずに数人に言ってしまい、微妙な反応をされました。ごめんなさい……。
ちなみにドイツ語で「鼻が高い(hochnäsig)」という形容詞があるのですが、これは「高慢」という意味です。
”Sie ist ganz hochnäsig!”
「彼女、高慢ちきだよ」
という風に使います。
また、鼻が高いことを「鼻が長い」と言ったりもするのですが、
(Lange Nase, beidhändig – Illustration von Vilhelm Pedersen (1820–1859))
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この謎のジェスチャーのことも「長い鼻(lange Nase)」と言い、これは相手に対する軽蔑や馬鹿にしていることを示すジェスチャーです。実生活で見たことがないので現在も使われているのかはよく分かりません。
このジェスチャーの名称は英語だと”cooking a snook”と言うのですが(直訳すると「魚を料理する」)、「長い鼻(long nose)」という言葉は英語だと「嘘つき」と関連付けられるようです。(これは英語圏に限った話ではないかもしれません)
というわけで人の鼻が高い・長いと言わないように気を付けようと思います。
2、「わたしのお尻大きいの……」
友達の家で着替えて遊んでいたとき、ふと自分のお尻が気になって
「わたし、お尻が大きくて気になる」
と言いました。
友達「……うーーん」
私「ほら、見て?(お尻をつきだす)」
友達「……そんなこと、ないと思うけれど(言いにくそうに)」
後で知ったのですが、お尻が大きいって胸が大きいのと同じように良いことらしいです。
しかもわたしは日本人の中でもやせ型な方で、客観的に見るとお尻もそんなに大きくないわけです。
貧乳の人が胸を突き出して嫌そうに「わたし胸が大きいの」と言ってるようなものだったと後から知って赤面しました。未だに思い出して恥ずかしい。
なにより友達にゴメンね、という感じです。
3、「薄い唇が欲しいなぁ」
薄い唇、なんか良いですよね?
儚げな印象を残せそうだし(?)可愛いと思うんです。
しかし、こちらではアンジェリーナ・ジョリーのような分厚い唇が美しいとされているらしく、「薄い唇が欲しい」と何気なく言ったらあっさり否定されました。
街でもたまに唇が妙なことになっている人を見かけるし(たぶん注射)、唇を腫れさせて大きく見せる美容グッズ(!!)もあるし、唇が膨れてるのは良いことらしいです。
スカーレット・ヨハンソンやアン・ハサウェイみたいな自然でぷっくりしたリップは確かに可愛いですが、不自然なほどに膨れた唇の良さはちょっと理解できませんね……。
(c) DreamWorks Pictures via Youtube
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4、「これ以上日に焼けたら困る~」
焼けやすいので普通に嫌なのですが、こう言ってムッとされたことがあります。日に焼けた小麦色の肌が良いらしく、自慢ぽくとられたみたいです……。
ちょっと理解しがたいですが、私もすでに胸が大きい人に「これ以上胸が大きくなったら困る~☆」と言われたらイラッとくると思うので……そんな感じなのでしょうか?……う~ん。
ちなみに街を歩くとあちこちに日焼けサロンがあります。
後、日本だと「日焼けしてますね」と言うと特に褒めている感じはしませんが、こちらで休み明けなどに「良い色になってるね!Cool!(サムズアップ)」と爽やかに褒められて、ちょっと嬉しかったりも。
そういう環境なので年々日焼け対策が適当になってしまっています。
外見の話題はNG?
外見の話題にはあまりに地雷が多いため、できるだけしないようにしています。せいぜい「あなたの目の色綺麗ね~」くらいでしょうか……。
日本育ちの私には何が良くて何がNGなのか未だによく分かりません。
後、ヨーロッパ内でも国によって微妙に感覚が違う感じがするので注意です。
個人的な意見ですが、”多様性”というスローガンのもと言論統制が敷かれているような気持ちになったりもします。
もちろん見た目での差別がなくなるのは良いことだとは思いますが、そのうち「みんな違ってみんな美しい」と言わなければいけない時代になったり……!?