ベルリンから電車で一時間ほどの距離にあるポツダム。
半日あれば主なところは見て周ることができるので、ドイツ旅行でべルリンへ行くことがあればついでに寄ってみてはどうでしょうか?
ポツダム観光のモデルコースを作ってみました。
1 ベルリンからポツダムへ
まずはベルリンからポツダム中央駅へ。ベルリンの大きな駅からレギオナルバーン、またはSバーンで行くことができます。
2 ポツダム、新宮殿
ポツダム中央駅に着いたらバスに乗って、新宮殿(Neue Palais)へ行きます。
新宮殿はサンスーシ公園の西側にある宮殿で、前にポツダム大学があります。
新宮殿の中は見学できます。以前見学したのですが、豪華でした。ただ、ちょっと悪趣味です……。(もちろん100%個人的見解です🌟)
新宮殿はその名の通りサンスーシ宮殿よりも後に造られた宮殿です。
七年戦争が終わった1763年、プロイセン王であるフリードリヒ2世が建築に着手しました。七年戦争で死を覚悟するほど苦戦したフリードリヒ大王ですが、新宮殿はそれを伺わせない豪華絢爛さです。
戦争で経済的にもダメージを受けたはずですがどこから費用を捻出したのでしょう?どうせそのへんの畑からでしょうけれど……(ヨーロッパの豪華な建設を見ると可哀想な農民に思いを馳せてしまいますね)
新宮殿からオランジュリー宮殿、サンスーシ宮殿へは庭園を通って向かいます。
途中にトウダイグサが咲いていました。日本のものよりも小ぶりで黄色が強いです。
(そういえばトウダイグサをドイツ語で”狼のミルク(Wolfsmilch)”と言います。たぶん茎を傷付けると白い液体が出てくるからでしょうけれど、どうして日本語ではトウダイグサと言うんでしょうね……)
3 オランジェリー宮殿
新宮殿とサンスーシ宮殿の間に位置するこの宮殿はフリードリヒ・ヴィルヘルム4世によって1851~1864年にかけて建てられました。
なので新宮殿よりも新しい宮殿ということになります。
数代前のプロイセン王、フリードリヒ2世の趣味とは大きく違います。
フリードリヒ2世がフランス文化大好きだったのと異なり、フリードリヒ・ヴィルヘルム4世はイタリアのルネサンス美術が好みだったようです。
オランジェリー宮殿もルネサンス風の建物で、中にはラファエロの絵の複製がたくさん飾られている”ラファエロの部屋”があるそうです。(Wiki情報)
階段を上がりたくなかったので写真はありませんが、建物の外に並んでいる彫刻は他の宮殿のものよりも雅(みやび)な感じがします。これは以前見たので本当です!
オランジェリー宮殿の下の池に藤が咲いていました。
オランジェリー宮殿からサンスーシー宮殿への道の途中にシチリア庭園(Sizilianischer Garten)がありこちらも花盛りでした。
4 サンスーシ宮殿
サンスーシ宮殿(Schloss Sanssouci)。世界史を勉強された方はきっとこの宮殿の名前の意味を聞いたことがおありでしょう。
私は……かつて高校生だったころ世界史選択だったのですが、忘れちゃいました。なんとか思い出そうとしているとそばで観光していたドイツ人が
「サンスーシの意味は分かるかな?フランス語で、ドイツ語だとProblemlosって意味だよ」
と言っていました。Problemlos…‥‥問題なし……あっ……!「憂いがない」!
無事に思い出すことができました(思い出してない)。
フランス文化が好きなフリードリヒ大王によって建設されたロココ式の宮殿。王様はここでフランス人哲学者ヴォルテールらと楽しいひと時を過ごしたそうです。
宮殿へと続く階段の間に木が等間隔で植えられています。イチジクとブドウ。イチジクは小さな温室に入れられていて面白いです。
大王の頃からこの二種類が植わっていたのかどうかは分かりませんが、場所を有効利用して果樹を植えるのが合理主義のドイツらしくて良いですね?
5 サンスーシ公園からブランデンブルク門へ
サンスーシ公園を出て歩いて10分ほどでポツダムのブランデンブルク門に着きます。
フリードリヒ2世が七年戦争に勝った記念に建てた門です。(勝ったと言えるのか……そしてどれだけ散財するのか……)
聞いた話だとポツダムとベルリンの二つのブランデンブルク門は向かい合うように建てられているそうです。
6 ブランデンブルガー通りとオランダ人街
ブランデンブルク門を抜けるとブティックやレストランが連なるブランデンブルガー通りに出ます。
歩いている途中におもちゃ屋さんの店頭で可愛いクマのおもちゃを見かけました。どういう仕組みなのか分かりませんが、手が上下してシャボン玉を吹く仕掛けになっているんです!カワイイ
アイス屋さんもたくさんあります。アイスを食べながら適当に歩いたらオランダ人街(Dutch Quarter、またはHolländisches Viertel)へたどり着きます。
正確に説明するとブランデンブルガー通りを突き当りの教会までまっすぐ進み、左へ行くとオランダ風の建物が見えるので、そこがオランダ人街です。
オランダ人街は街並みが可愛いです。
事前にGoogle Mapで目星をつけていたパンケーキのカフェ(Poffertjes en Pannekoeken)に行きたかったのですが、混んでいたのと突然天気が悪くなったので雨が降る前に次の目的地へ急ぐことにしました。
このパンケーキ屋さんへ行った方、もしおられたらぜひ感想教えてください。
後、この近くにインスタ映えしそうなカフェKaiserwetterもありました。
7 ツェツィーリエンホーフ宮殿
オランダ人街からバスに乗ってノイアー ガルテン(Neuer Garten)へと移動します。
ノイアーガルテンにはポツダム会談が行われた場所として有名なツェツィーリエンホーフ宮殿(Schloss Cecilienhof)があります。
宮殿というより大きなお屋敷、という雰囲気かもしれません。現在はホテルと博物館として使われています。
この宮殿の庭が好きです。
宮殿の庭の奥にひっそりと置かれているこの銅像。銅像を囲むように咲き誇る水仙。
春に来ないと気が付かないかもしれませんが、この銅像はギリシャ神話の登場人物ナルキッソス。
水面に映る美しい自分の姿を見つめ続けて死んでしまい、スイセンになってしまった美しい青年(アホ)――
ちなみに水仙はヨーロッパ言語では大抵ナルシスと呼ばれています。(ドイツ語もNarziss)東西で名前が大きく違うのが面白いですね……。
花が星型に植えられた中庭。
無知な私は「( ̄m ̄〃)ぷぷっ!何この庭!?」などと思っていましたが、趣味でこんな庭にしているのではなくポツダム会談の記念にこんな庭にしているそうです。
赤い星はソ連を表しているそうです。
屋敷の裏にはだいぶ散りかけでしたが、コブシがたくさん咲いていました。
8 ポツダム中央駅へ戻ってベルリンへ
雨が降り出す前に駅へ戻ることができました。良かった良かった。
来年のこの時期ドイツにいるかどうか分かりませんが、いたらまたポツダムに遠足に行こうと思います。(正直あまり喜ばしくはない😂)
ポツダム半日観光まとめ&地図
ポツダムを半日で観光するとなるとこんな感じかな?と思います。食事やカフェ休憩はブランデンブルガー通りやオランダ人街の周辺ですると良いでしょう。
また、宮殿内をすべて見て周っていたら半日では厳しいでしょう。宮殿内も見て周る場合はブランデンブルガー門周辺をカットするのが賢明かもしれません。
それか一日ポツダム観光に費やすかでしょうか。
後、オランジュリー宮殿とサンスーシ宮殿は高台にあるので階段を登る必要があります。
さらに、庭園がかなり広いので他の場所(特に少し距離が離れている中国茶館)へ行く場合は結構歩き回ることになります。体力と相談して行きたいところを決めた方が良いかもしれません。
(新宮殿からサンスーシー宮殿まで普通に歩いて2kmほど)
そして、庭園の中は砂利道orよくある石畳なので歩きやすい靴を履いて行くと良いと思います。
(「どれだけ徒歩について注意するねん」という感じですが、この前結構へとへとになったので……(一応まだ20代なんですけどね……))
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