「レンブラントのすべて(All the Rembrandts)」というタイトルの特別展なのですが、普段は展示されていない絵画や資料が一挙に公開されていて、とても見ごたえがありました。
(美術館自体は結構空いていたけれど、レンブラント展だけかなり混んでいた)
展示されていた作品の中からいくつか紹介していきたいと思います。レンブラント展だけで結構長くなったので常設展は別のポストをアップします☞「」(レンブラントの作品ですが、常設展にあるので『夜警』もそちらで紹介しています)
“Still Life with Peacocks”
『クジャクのある静物画』
1639
by Rembrandt
当時クジャクは裕福な人々だけが食べられる贅沢だったそうです。
この絵はクジャクの血抜きをしている場面を描いたもの。尾があまり長くないのでメスのクジャクでしょうか。描かれた当時はもっと鮮やかな色だったのかな、と想像。
”Syndics of the Drapers' Guild”
『織物商組合の幹部たち』
1662
by Rembrandt
レンブラントが描いた集団肖像画の一つ。
描かれているのは織物商組合の人々が職工が提出した布のサンプルの質を調べているところです。
まるで、絵を見ている私たちがその場に入って行ったことで、絵の中の人物が話し合いを中止してこちらを見ているかのように描かれていて、それがこの絵を一層生き生きとさせています。
”Jeremiah Lamenting the Destruction of Jerusalem”
『悲嘆にくれる預言者エレミア』
1630
by Rembrandt
レンブラントはかなり信心深い人だったようで、聖書のシーンを描いた絵やエッチングが他にも多数展示されていました。
例えばこちらも旧約聖書のストーリーがテーマの作品です。
"Joseph Telling his Dreams to his Parents and Brothers"
『ヨセフは彼の夢を両親と兄弟に話す』
1633
by Rembrandt
(ただ、画家は描きたい絵を好き勝手に描けるわけではなく、パトロン――17世紀オランダにおいては主にギルド、つまり商人の組合――の注文があってこそ生活できるので、当時の注文に聖書を主題にしたものが多かった、とも読み取れるかもしれません。)
"Landscape with a Stone Bridge"
『石橋のある風景』
1638
by Rembrandt
あまり風景画を描かなかったレンブラントの風景画。レンブラントは風景画を描くとしても現実の風景ではなく空想の風景を描くことが多かったそうですが、この絵もまた空想の風景だそうです。
立ち込める暗雲と差し込む光の対比がとても綺麗な一枚。
"Rembrandt’s Son Titus in a Monk’s Habit"
『カプチン派修道士に扮するティトゥス』
1660
by Rembrandt
レンブラントには4人子どもがいましたが、3人は成人する前に亡くなってしまい、ティトゥスのみが大人になりました。
しかしティトゥスも1998年、レンブラントより早くに亡くなり、その翌年レンブラントも亡くなります。レンブラントは教会の共同墓地に葬られたそう……。
当時日本は鎖国していましたが、長崎の出島にオランダ商館があり貿易がされていたのでおそらくそのときに和紙も輸出されたのかな、と推測しました。(レンブラントは丁度水戸黄門と同時代に生きた人)
今も日本の文房具や紙のファンは海外で見かけますが、和紙はこの頃も好まれていたのでしょうか?
以上、レンブラント展inアムステルダムの一部の紹介でした。普段見ることのできない貴重な資料を見ることができて良かったです。
また、展示品の数も多く見ごたえはかなりありました。貴重なものを見ることができて良かったです。