世界一美しい本屋さん(Tropismes/トロピズム)
ファンタジーの世界にいるのかと錯覚するほどに美しいアーケードをふわふわ歩いていると、世界一美しい本屋さん(Tropismes/トロピズム)にたどり着いた。私が大好きなマンガ『タンタンの冒険』シリーズの作者・エルジェ氏がベルギー出身だからか、『タンタン』が世界的に人気だからか、入ってすぐのところにタンタンのマンガやポストカードが置かれていた。
鏡張りの壁のせいで実物よりもかなり大きく感じる不思議な本屋さんで、私はうろうろと本を見て回った。
人がすれ違えない程の幅の階段を登ると絵本・漫画コーナーだった。
漫画とコミック
日本のマンガも置かれていた。日本のマンガの侵略的外来種っぷり(?)は日本人が見ても驚くほどで、ドイツの駅に入っている小さな本屋さんにも日本のマンガが並んでいたりするので、大きめの書店に置かれているのは当然のことかもしれない。
寄藤さん… |
これは意外にも作者が日本人ではない! |
マンガ以外にも絵本やイラスト本なども日本のものがちらほら置かれていて、やはりフランス系文化と日本文化は仲が良いのかな、と少し思った。
(なんというか、ある種の感覚?が似ているのかなと思う)
フランス語圏もコミックの産地として有名で、前述の『タンタン』もそうだしエルジェが描いた他のシリーズ『クックとプッケ』、他にも『Asterisk』、『スマーフ』などなどパッと思いつくだけでもこれだけある。
わが家ではなぜか日本のマンガが暗黙の了解で禁止されていたのだけれど、外国産のコミックはなぜか許可されていたので、日本のマンガよりも上に挙げたコミックたちの方が親しみがあったりする……。
絵本
明朝体で印刷されたポップ(?) |
そんなことを色々考えながら、絵本を手に取って眺めているうちに、表紙に猫が描かれた絵本が目に飛び込んできて思わず手に取った。
© éditions MeMo |
恐らく猫好きの多くがそうであるように、わたしもまた猫が登場するアイテムに目がない。
ミッフィーちゃんの作者、ディック・ブルーナ氏のポスターのような色使いも気に入り、すっかり欲しくなってしまった!
しかしフランス語読めないし。主人公が女の子だったら良かったのになぁ、などと考えて迷った末に結局その日は買わなかった。
美しい本屋さんを後にしてからも私は後ろ髪を引かれる思いだった。
絵本の中の、男の子に服を着せられて不満気な猫と、逃げ出す猫の様子が……わたしと私の猫を連想させて。それを思い出しているうちに「やっぱり欲しい」と思った。
© éditions MeMo |
© éditions MeMo |
参考画像:わたしのカワイイ猫 |
茶トラ
翌日にまたTropismesを訪れた。それでもなんとなくまだ迷っていて、物増やしたくないし……などと考えながら、棚の他の絵本を見ているうちに、あまりにカワイイ絵本と出会ってしまった。
出てくる猫が私のカワイイ猫くんと同じ茶トラなので、とても欲しい。
(一般常識だけれど、”茶トラ”とは何かというのを一応補足しておくとガーフィールドみたいな茶色くてシマがある猫の模様のことです)
もう手放したくなくなって、昨日欲しかった絵本のことも忘れて、気付くとその絵本をレジに持って行っていた。
猫がとにかく可愛くって、見ているだけで幸せになれるような絵本。
わたしはフランス語力がほぼゼロなんだけれども、数か月パリにいたこともあって「わたし」「きみ」「ねこ」「きれい」くらいのフランス語が分かる(これを分かるとは言わない)ので、知ってる単語から内容を想像して楽しんでいる。
いつかきっとフランス語をマスターする予定なので、その過程でこの絵本も読めるようになるだろう。……うん、いつか。(まあ本当は数年前から「フランス語勉強したい」と言いつつ手付かずなんだけれど)
買った絵本は”ベルギーの絵本作家”のポップが貼られている棚から見つけたし、フランス語だったので「ベルギー人の作家さんなのかな~」と思っていたのだけれど、帰って調べたらイギリス出身の作家さんだった。
それなら英語版が欲しかったけれど後の祭りだ。ま、フランス語の絵本の方がなんとなくカッコいいかな?と自分を慰めてみたりする。
ちなみにこの絵本の作者、Melissa Castrillon(メリッサ・カストリヨン)氏が挿絵を手掛けた『すてきって なんだろう?』という絵本がきじとら出版から9月(2019年)に出るらしい。
via http://kijitora.co.jp/ |
omake:
本屋さんでおまけのポストカードと絵本のカタログをもらった。全部かわいい。見てるとまたブリュッセルに行きたくなってしまう……