「アムステルダムの美術館」と聞くとまず思い浮かべるのがアムステルダム国立美術館、次に思いつくのがゴッホ美術館かもしれません。
これら二つの大きな美術館の影で着々と存在感を増していっているのが、私が今回訪れた美術館、モコミュージアム(Moco Museum)です。
モコミュージアム/Moco Museumについて
2016年と比較的最近オープンした美術館で、アムステルダム国立美術館(Rijksmuseum)などがある広場(Museumplein)の端にあります。元々は邸宅だったので、ゴッホ美術館や国立美術館のように大きくはありませんが、見ごたえがあります。“Moco ( = Modern Contemporary) Museum”という名前の通り現代アートの美術館です。バンクシーや草間彌生、アンディ・ウォーホールといったアーティストの作品が展示されています。
中には写真を撮って遊べるような体験型の展示もあり、楽しめました。
チケットは大人が15ユーロ、学生が12.50ユーロ。オンラインで予約すると1ユーロ割引になります。エントランスがあまり広くなく混むため、オンラインで朝早めの時間を予約して行くのがおススメです。
モコミュージアム/Moco Museumの展示
展示は全部で4つのフロアーに分かれています。各階の展示をいくつかピックアップして紹介していきたいと思います。2階:Moco Masters
カワイイ表情がなんとなく奈良美智を思い出させます。
ダミアン・ハーストが丸だけで再現したミッキー。簡単な形と色を配置しただけでミッキーだと分かるのはスゴイです。
ダミアン・ハーストがすごいのか、ミッキーがすごいのか、私たちの脳がすごいのか……?これにはDisneyも著作権について何も言わないのか?考えるほどに不思議な絵です。
キャンベルのスープ缶やマリリン・モンローの絵と並んでアンディー・ウォーホールの代表作である『ドルサイン』。シンプルにドルマークを描いただけのように見えますが、『一流の芸術は高額である……』という事実を示しています。
1階:バンクシー、リキテンスタインの部屋、草間彌生
バンクシーの作品の中で一番有名と言っても過言ではないでしょう。赤い風船を持った女の子の絵。
この作品の意味が知りたかったのですが公式サイトによると
”この作品の意味を解読することは困難である。自由、解放、切なさ、喪失、儚さ、それとも希望……何を作品から読み取るかは見る人にゆだねられている。そしてこれがこの作品の色あせない魅力でもある”
とのこと。みなさんはこの絵は何を描いた絵だと思いましたか?ちなみに私は喪失だと思いました。でも改めて女の子の顔をよく見ると笑ってるんですよね。やっぱり”解放”なのかな?
『ロイ・リキテンスタインの部屋』
アメリカンコミックの1ページのようなポップな部屋。
ゴッホの有名なポストカード“The Artist’s Room at Arles” 『ファンゴッホの寝室』(1888-89)を元にリキテンスタインは“Bedroom at Arles”(1992)という絵を書きました。
リキテンスタインによると”ゴッホのために部屋を少し片付けてあげた。彼が病院から帰ってきて僕が彼のシャツにアイロン掛けをして、いくつか家具を買い足したと知ったら彼も喜ぶだろう"とのこと。
1部屋が草間彌生の展示でした。写真を撮りたい人がたくさんであまり写真は撮れなかったのですが、オシャレでした。草間彌生さん、今年(2019年)で90歳になられたんですね。
10年くらい前に新聞のインタビューで「幻覚に悩まされていた」ということを話しておられたのを読みましたが、アーティストって特別なんだな……となんとなく思ったことを思い出しました。
グランドフロア:バンクシー
バンクシーのモナリザ。ダ・ヴィンチのものとかなり印象が違います。鮮やかなピンクが特徴的です。
頭を打ちぬかれたダビデの胸像……。
ダビデは聖書の登場人物なのですが、物語の中に「ダビデが巨人ゴリアテの頭を石で打ち抜きたおす」というストーリーがあります。そのダビデの頭が打ちぬかれているのが面白いな、と思いました。
一階にあった蛇に飲み込まれたミッキーを見たときもですが、バンクシーに立体作品のイメージがなかったので驚きました。
『枢機卿の罪』―これはカトリック教会における児童虐待問題などを批判しているそうです。
-1階:ダニエル・アルシャム
包まれたトゥイーティー。
これの隣に”Wrapped Bear”(包まれたクマ)という題名で包まれたプ〇さんが……アートだったら著作権大丈夫なのか……許可取ってるのか……やっぱり不思議です。