神脳、河野玄斗の勉強本『シンプルな勉強法』レビュー。読むべき理由&読むべきでない理由

2019/02/25

本と映画

t f B! P L
わたしは勉強本を読んだり、新しい勉強法を知るのが好きです。

ネットでも勉強法の記事が目に留まるとついつい読み込んでしまったり、あまり好きではない英語を駆使してまで読もうと思うのは、”科学的に裏付けられた効率のいい勉強法”についてのページだったりします。



正直わたしが勉強法について熱心に調べているときって勉強から逃避しているときが100%なんですけれどね……。


いつものように勉強から逃避していたある日、Amazonで『東大医学部在学中に司法試験も一発合格した僕のやっている シンプルな勉強法』という本を見かけて「すご!?」と思い、つい買ってしまいました。

作者、河野玄斗氏について

まえがきに書かれてあった言葉
「天才」「神脳」と言われる自分も、決して超人的な記憶力や特殊能力があるわけではなく、ただひたすらに、「勉強の仕方がうまい」だけなのです――。

作者の方のことをあまり知らなかったので、本を読んだときはこの言葉を鵜呑みにしたのですが、先日の頭脳王の番組を観て、いやいや……と思いました。


仮に傾向と対策を万全にするのが上手いとしても、あの番組のボードゲーム問題などは「勉強の仕方がうまい」だけで片付けられるレベルだとは思えませんでした。


(頭脳王を知らない方のために:

頭脳王とは知識問題、計算問題など色々な問題が出題されるクイズ番組で、京大医学部とか東大主席……みたいな桁外れに頭が良い人がハイレベルな戦いを繰り広げ、視聴者は口を開けてポカーンと見ているしかない悔しい番組です。


例えば決勝戦では下のレントゲン写真のみが表示されて、誰の手かを問う問題が出ました。しかも引っ掛け問題らしいし、何が何だか。ちなみに決勝戦に残った二人とも正解していました……。
アルベルト・フォン・ケリカーの左手

今回、チェスとはさみ将棋を混ぜたような実際には存在しないゲームが急に出てきて、挑戦者はコンピューターと対戦する、というステージがありました。

準決勝だったので、挑戦者は4人に減っていたのですが、1人は負け、2人引き分け、唯一コンピューターに勝てたのが、この本の作者河野玄斗でした。

初見のゲームでコンピューターに勝つとは一体!?)


彼のような”神脳”になれることを期待してこの本を買うのはおすすめしません。本当に。


あと、理系で偏差値が75以上あるような人はたぶん一般人の脳の限界の程度が分からないのでは、とも思います。(東大理三を余裕で合格ということは偏差値80以上ですよね……)


『シンプルな勉強法』の内容

本に書いてある勉強法はアマゾンの商品紹介に書いてある以下の内容がほとんどです。


・ゴールからやるべきことを逆算して、超効率的にタスクをこなす《 逆算勉強法 》。

・勉強を加速させる 《 できるループ 》 の回し方。

・《 幸福の最大化理論 》 で複数の物事を両立する方法。

・勉強の《 大木 》を育てるために知っておくべき、《 幹 》と《 枝葉 》のイメージ。

・《 具体と抽象 》を行き来して、理解度を加速させる方法。

・覚えるべきものによって2種類を使い分ける《 語呂合わせ 》のやり方。


あと、根底に根性論を自分の中に持ってるタイプの人なのかな、と思いました。


勉強の基本的な取り組み方を知りたい人にはおススメできる一冊ですし、心のどこかで勉強が好きな人はモチベーションアップに使えると思います。


とはいえ彼がモチベーションアップのために書いてる内容はわたしのモチベーションアップにはつながらなかったのですが、彼の勉強に対する熱量に感化されてそれがモチベーションアップにつながりました。


「楽していい成績を取る方法を知りたい」というおバカな理由でこの本を手に取ったわたしは、作者のひたむきな勉強への姿勢を見て自分が恥ずかしくなりました。


頭の良い人が、普通の人の何倍も勉強したら”東大医学部在学中に司法試験も一発合格”のような離れ業ができるのかな、と思って凡人はもっともっと頑張らなければ、と思わされました。

まとめ

この本を読むべき人


☑ 勉強方法が確立できていない中高生
(勉強法が確立してても読んで損にはならないと思うし、勉強法のブラッシュアップはできる)

☑ 暇だし気合を入れたい人
(逆に言うとセンター試験と二次試験の間に読む本ではない。読むなら遅くても高3に上がる前に読んでおきたい)



読むべきでない人


☑ 勉強法オタク
(目新しいことは書かれていません。勉強法ジプシーはやめて実際に勉強しましょう(もはや自分への言葉))

☑ 作者、河野玄斗のような神脳になりたい人
(たぶん高確率で無理です。自頭が相当良い&青春を捨てる覚悟があれば可能性はあるかも?)

☑ 司法試験受験のために何か知りたい人
(司法試験についてのページはかなり少なく、どちらかというと中高生向けの本)


繰り返しになりますが、モチベーションアップになることは間違いありません。勉強法も”七回読み”とは違い、”神脳”の持ち主でなくても実際に使える勉強法です。

やはりシンプルで王道の勉強法に勝るものはないのかもしれません。

さて、わたしも勉強しよ……

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